Komi屋 赤ちゃんから、むし歯予防をはじめよう

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赤ちゃん誕生から離乳期完了までのお歯なし

「お誕生、おめでとう!」新しい生命が産声をあげました。赤ちゃんは泣くことと、母乳を呑む口は、早速働いています。しかし、殆どの場合、まだ歯は一本も生えていません。大人で言うと、総入れ歯を外した状態です。「歯なしのおはなし」始まりです。この小さな生命を育んで行くには栄養が必要です。

この子には、たくましい身体を成長させる栄養と、すこやかな心を育てる栄養の両方が必要です。最初は乳幼児の身体が発育してゆくための食物の与え方、心の成長をたすける応援をするには、どうすればいいのでしょう?

離乳食を始める前の準備の大切さ

離乳(ちばなれ)は子育て期間の中では、あっという間に過ぎていく時です。実際、正味1年ありません。この1年以内に、これから一生食べていくための基礎作りとなるのであれば、見逃すことのできない大切な期間といえます。

離乳期が終わってしまってから、「うちの子、よく噛むように言ってもなかなか噛まないんです」「丸呑みしながら食べてしまうので、心配で困ってます」など、時すでに遅し、後から後悔のないように準備をすれば、必要な技は獲得できるのです。私たちの食習慣は、日常の繰り返しであるため、始まりの部分を、うまくスタートさせることで、あとで大きな結果を生みます。

生まれた時に備わっている赤ちゃんの口の動きの特徴

赤ちゃんは「与えられた母乳しか栄養に出来ない生き物」から、「自分で食べ物を消化吸収するたくましい生き物」に成長します。哺乳のはじまりは、乳をのむ本能的な原始反射(探索反射、吸啜反射とよばれる)によって、引き出されます。

探索反射とは・・・

お母さんの乳首が赤ちゃんの口まわりや頬っぺに触れると、そちらに頭を回してお口を開きます。また、上唇に乳首があたると、口唇をすぼめるような動きとともに頭を後にそらせ、下唇に触れると、うなづくようにしながら、お口を開きます。生まれたばかりの赤ちゃんはまだ目が見えないのでお口でお母さんを捜すのです。

吸啜反射とは・・・

そうして赤ちゃんがおっぱいを探り当てると、舌で乳首を上顎に押し付けるようにして、リズミカルにチューチューと吸い始めます。そうすると、赤ちゃんの舌は前から後に向かって、蠕動(ぜんどう・筋肉の収縮が徐々に移動するような動き)をはじめます。

さらに乳首をしっかりとらえるために、噛むような動きをし、下顎・舌・頬など口の周りの筋肉をフル活用させていきます。この時の、飲みこみかたは、喉の奥(咽頭)の空間が狭いため母乳やミルクを飲みながら、同時に鼻で呼吸することができます。大人ではできない飲み込みをしています。

生後3ヶ月頃の赤ちゃんの変化

首がしっかり座る頃には、咽頭の空間も広がり、大人と同じように、飲み込みと、呼吸が別になっていきます。
そうしながら後に言葉を話す口の機能(唇や舌から喉、頬など)の動きを連携させ、新しいコミュニケーション方法「言葉」(喃語)が始まります。喃語は大人が聞いても何をあらわしているのかわかりにくいと思いますが、目の前の人に何かを伝えようとしています。

喃語を話しながら、家族との関わりを増やしていくことにより、赤ちゃん自身の存在が高まっていきます。これがのちの離乳食や、赤ちゃんの仕上げ磨きをスムーズに行うためのコミュニケーションの元となります。赤ちゃんとの大切な時間を楽しみましょう。

最初に生える歯の場所は?

生まれてから個人差はありますが、生後5ヶ月前後から、下の前歯が生えてきます。しかし、個人差がありますので、生えてくる時期を気にする必要はありません。歯が生えると、今まで舌の出入が自在だった所に、舌が前に出てきにくい柵ができるのです。本人にとって口の中の変化は、とても気になります。歯が生える前は、舌の動きも前後に動く特徴があります。

離乳初期でもまだ歯が生えていない場合は、舌を前に出したり引っ込めたりすることが自然な動きです。ですから舌を出すときは、離乳食を嫌がっているとは限りません。離乳初期にみられる赤ちゃんの特徴的な舌の動きです。赤ちゃんが、生えてきた歯が気になってよく舌で触ったり、唾液を吹いたりたりするのは、このためかも知れません。

赤ちゃんの体の中では食べる準備中をしています

生まれて初めて飲む母乳(初乳)によって、赤ちゃんの腸内では、数々の刺激が与えられ、後に出来上がる消化吸収器官活動開始のスイッチが入ります。母乳を与えるとは、生まれた赤ちゃんに一番はじめに送る最高のプレゼントなのです。

しかし、母乳の出が少ないと・・・歯茎で噛まれて痛い思いをしたお母さんも多いと思いますが、赤ちゃんは必死ですから、許してあげて下さい。乳汁以外の飲み物を与えて、下痢しないようであれば、赤ちゃんの体も準備Okです。しかし、せっせと果汁を与える必要はありません。甘い味は、むし歯のお誘いにもなります。お茶やお水でも十分です。

現在進行形で離乳食をしているママはお気づきかもしれませんが、離乳食は赤ちゃんの咀嚼機能だけでなく、消化機能の発達段階に合わせて進めるべきなのです。食欲旺盛な赤ちゃんに粥状にすれば何でも食べさせて良いかというと、そうではないわけです。

赤ちゃんの消化機能は、炭水化物→タンパク質→脂質の順に整っていきます。消化が苦手なタンパク質や脂質を早いうちから与えてしまうと、消化しきれなかったタンパク質分子を未発達な免疫が異物と認識してアレルギーの原因になったり、下痢の原因となることがあります。焦る必要はありません、毎日少しずつを、親子のペースを守って進んでいけばいいのです。

生活のリズムを作るために、必要なこと

育児の最初は、何がなんだかわからなかった生活の食事のタイミングのも、日にちが増すにつれ、3ヶ月・4ヶ月と過ぎると、少しずつ母乳やミルクの回数がまとまり、タイミングを考える余裕が出てきます。生活のペースは人それ違いますが、赤ちゃんもいつまでたっても、生まれた当初と同じではありません。これから始まる「食べる練習」は、まとまった授乳の時間のどこかが、離乳食タイムにさし代わり、足りない分を母乳かミルクで補う時間になります。

「お腹が空く」ことと、「お腹が満たされる」ことのメリハリをつけておくことを心がけていきましょう。それはこれからずっと先にある、むし歯予防の食習慣の基本に繋がっていくのです。

まとめ


赤ちゃんが将来的に食べていくための練習と準備は、生まれたときにはすでに始まっています。口周りの動きに関しては実にお母さんのお腹にいるときから、始めてくれています。そんなたくましい赤ちゃんが生まれると、お世話だけで毎日大変ですが、私たち大人ができることは、口の中の機能だけに止まらず、親子のコミュニケーションが土台にあるからこそ、小さなステップを一つずつ踏んでいきます。

声をかけたり、笑顔になったり、赤ちゃんからいろんな影響を受けながら、それはちゃんと成長に必要な過程をを踏んでいるのです。育児を楽しむことは、後々いろんなことに発展していく元になります。焦らず、ありのままの生活を共にしましょう。