Komi屋 赤ちゃんから、むし歯予防をはじめよう

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赤ちゃんからむし歯予防ができる、離乳期の食べさせ方

あっという間に終わってしまう離乳期に、むし歯予防の面からしっかりお子さんに教えておきたいこと、それは一生使う大切な口の機能を使って、よく噛み唾液を出す食事をすることです。その練習は実は離乳期から始まっていて、その繰り返しが生活習慣として定着していくのです。

最初にその方向性を決めておくことが、よく噛む習慣に繋がり、むし歯予防になります。そのためのポイントをお話ししましょう。

離乳期の間なら、よく噛ませる習慣を教えることが簡単

離乳食を開始するときは、赤ちゃんの唇はまだ閉じる力が弱く、動きも安定していません。よく噛むためには段階を追って、口の周りの筋肉を育てていく必要があります。離乳期にお口の機能を育てるには、ただ食べさせればいいわけではなく、お口の機能が正しく働くように、おさじによる食べさせ方にコツがあります。よく噛んで、唾液をしっかり出す食事ができる「食べさせ方」がむし歯予防の決め手です。

離乳初期
上下の唇が、おさじを挟み込むような動きを誘導させることを意識します。この時期は、初めて体を起こして食事をする「慣らし」が中心になります。おさじの大きさも赤ちゃんのお口の幅の3分の2の幅が、取り込みやすく、おさじの深さも浅いタイプのものを使用しましょう。
口の中におさじをまっすぐ入れたら、赤ちゃんの舌先3分の1あたりにとどめ、上唇が降りてきたタイミングを見計らって、おさじを真っ直ぐ後ろに引き抜きます。

こうすることで、まず最初の段階、「上下の唇を使って口を閉じ、食べ物が口からこぼれ落ちないように、おさじを挟み込む動き」を引き出して、口をしっかりと閉じる練習をします。最初の頃は食べ物が溢れ出たり、舌が前に押し出される動きが見られます。

離乳中期
食べ方が上手になり、おさじのボールの部分に深さがあるものでも、お口の中に取り込むことができるようになります。しかし、おさじの運びは、極力「舌の前方まで」。それ以上は、本人の口の中の機能をふんだんに使ってもらい、食べ物を飲み込むための処理をしてもらいましょう。赤ちゃんに任せることです。大人の役割は、そのあとしっかり、観察をし、どんな様子で食べていくかを見ていきましょう。

離乳後期
常に食べ物を口の前方で捕らえる練習を続けていくことにより、前歯が生えてきた頃には自分で食べ物をかじる動きもできるようになります。そのために、最初は大人が食べ物を保持して、それ以上口の中に入らないようにして、赤ちゃんにかじるように声をかけてみてください。

「かじる」という言葉を知らなくても、感覚で読み取ってくれるようになります。前歯を使って、「かじる」動きが出たら、食事を用意する際、細長くした食べ物を取り入れて、自分の手に持たせてかじるようにさせていきましょう。握った手の中の食べ物を繰り出して、また食べるという高度なことはできませんから、そこは介助をしてあげてください。

手つかみ食べ
お腹がすいた状態で食べ物を口にするときは、食欲がしっかりある時ですね。食べ方が慣れない離乳期は、自分の口に合った量がわからないまま、口に食べ物を取り込んでいきます。よく噛む練習をするために、口の中の前方から(舌の前に置かれた)食べ物を取り込み、処理していく練習を繰り返すようにしましょう。

口に食べ物を入れすぎてしまったり、丸呑みしてしまったり、口に溜め込んで困ってたりと、こうした経験を積んで、自分に合ったひと口の量を、試行錯誤しながら学習していきます。全ての動きが、食べる本人にとって必要な動きですので、食事の主役となるお子さんをサポートしてあげながら、可愛さたっぷりの時間を楽しみましょう。

離乳期全般の、おさじによる食べさせ方の失敗

おさじを口の奥に入れすぎないように注意しましょう。奥に入れすぎると、喉が近いため、かむ動きが少なくなり、丸呑みを誘発 してしまいます。

おさじを口の中から引き抜く際、赤ちゃんの上唇におさじの内面をこすりつけるように、上方向に引き上げないようにしましょう。唇で挟まなくても、食べ物が取り込めるため、唇を閉じる力が育ちません。

よく噛む食事をするために、離乳期にココを使う事!

離乳期の目的は、「自分に合った一口の量を本人が覚える」ことです。自分のひと口量を身に着けるには、前歯を使って、ものをかじる動きが必要です。離乳初期から舌の前に置かれた食べ物を処理していれば、前歯でかじった食べ物を、口の中の機能を使ってかみくだき、ひとつの塊にして飲み込む作業(嚥下作業)が、自然にできます。

よく見られる食事介助、食べ物をあらかじめ小さく切ってフオークを使って口の中に放りこむようにすると、前歯を使う機会がありません。前歯を使って食べ物をかじりとる作業は、のちに自分が口の中で処理できる量を感覚としてつかみ、口の中の舌や頬などの筋肉を使って、食べ物を噛み砕き、飲み込みやすい形に変えていきます。

歯の周りには、「歯根膜」と呼ばれる、クッションの役割をしている線維、歯周靭帯(じんたい)があります。この歯根膜には、神経があり、噛む感覚や、歯に触れた感覚が脳に認知される働きを持っています。

特に上の前歯は、歯根膜による感覚が鋭く、離乳期においても、前歯でかじる動きは、食べ物の硬さや大きさ、性状がわかるため、赤ちゃんの上下の前歯が生えて、固形状にした食べ物が食べられるようになったら、前歯が活躍する機会を、極力意識して、食べ物を持ちやすくするために細長く切る、おにぎりなら大きめに作るなどの、前歯を使う食べ物を、一品でも取り入れていきましょう。細長くカットした茹で野菜など、手に持ちやすくするといいですね。「かじれるメニュー」の工夫をしてみましょう。

赤ちゃんの水分補給は空腹に影響する

赤ちゃんの水分摂取は、時に食欲に影響します。例えば、食事前に、水分をしっかりとったら、そのあとすぐお腹が空いている状態が続いているとは限りません。水分を補給すると、空腹が緩和され、しばらくの間充足感があります。

水分を取らないのではなく、取るタイミングによって食欲が左右されることがあり、飲む量によっても違いますが、水やお茶なら30分ほど、さらに甘いジュース・牛乳というように消化に時間がかかる順で、腹持ちはお茶や水より、長くなります。

その場合は、食事時間の始まりを遅らせたり、離乳食の量で調節をし、時間的にまとまった食事で終わるようにします。食事の時間は30分くらいを目安に、(量はその子によって違いますが)、基本的に「お腹がしっかり空いている」状態で食事をすることが大事です。だらだら食べがあれば、まとまった食事に変えていく調整をしていきましょう。

水分の取り方も、離乳期で練習しましょう。

水分は哺乳瓶で取るか、おさじを介して飲むことができます。水分摂取としての哺乳瓶やおさじはいつまで続けるのでしょうか?飲む量が増えていきたら、そろそろストローかな・・・と考える保護者の人も多いと思います。しかし、哺乳瓶やストローは実は離乳食が始まり、徐々に段階が進んでいけば、必要のない道具です。

何故ならば、その飲み方自体が、「離乳食を食べる動き」と違うからです。つまり、哺乳瓶やストローは新しい食べ方や飲み込みかたを覚えようとする赤ちゃんにとって、 昔の動きに引き戻されることになってしまうからです。離乳期は今までと全く違う新しい口の動きを、覚えようとする時期です。


ストロー付きの、お出かけに使いやすい育児グッズは、こぼしては困る時に使用するなど最小限にとどめましょう。

初めておさじを介して水分を飲ませる場合のおさじの当てかたは、離乳食の食べさせかたとは違い、おさじの方向を横にし、上唇に水面が触れるようにして介助しおさじを傾けすぎて、水分を流し込まないように注意します。コップを使う場合も、上唇に水面が触れることをチェックしながら本人のペースに合わせて、取り込ませます。

まとめ


おさじの運び方は常に、離乳期全般を通して、同じ動きです。それは最終的に前歯を使うための練習でよく噛む行動につながります。私たちの介助は思ったよりも少なく、重要なのは観察をしっかりすることです。

また、水分の摂取量は、食事の空腹感に影響します。食事サイクルは、水分摂取のタイミングを参考にしながら離乳食を進めていきましょう。

よく噛んで、むし歯予防になる唾液の力を働かせるために、「リラックスした食事時間」は、とても大切です。リラックスすると、副交感神経が働き、唾液も出やすくなります。時間に余裕を持って、ゆったりと食事しましょう。

反対に、何かに集中したり、体が活発に動いているときは交感神経が働いているため、唾液はリラックスしているときほど出ません。食事中の雰囲気は、テレビが付いていたり、慌しかったり、感情的になったりしていると、赤ちゃんはすぐに察知してしまいます。離乳食の食べさせ方のコツがわかれば、あとは楽しく、おおらかに、リラックスする時間にすることが、唾液がたくさん出て、むし歯予防生活になるのです。